足の指の付け根が死ぬほど痛い・・・といったことはありませんか。もしあなたが健診などで尿酸値が高いといわれていて、関節の1か所が腫れて激しく痛むなら、それは痛風発作かもしれません。
痛風発作を起こしたことのある人が再発を予防するには、尿酸値を6.0mg/dL以下に抑える必要があります。尿酸の血中濃度を下げないと関節内にたまった尿酸塩結晶が溶けないからです。尿酸値が7.0→8.0→9.0mg/dLと上がるにつれて痛風発症リスクが高まるのは確かですし、他の合併症にもかかりやすくなります。
健康診断で尿酸値が高いといわれたら、すぐに医師に相談しましょう。
尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態が高尿酸血症です。高尿酸血症が長期化すると尿酸が結晶化し全身で悪さをします。関節にたまる痛風をはじめ、腎臓に沈着すると腎臓の機能を低下させます。老廃物を尿として排泄できない腎不全にまで悪化すれば透析を受けなくてはなりません。
尿は腎臓で作られ、尿管・膀胱・尿道を経て排泄されます。水分をあまりとらないで尿量が減ったり、尿酸の元であるプリン体を含む食品を多くとると尿酸が結晶化して、尿路に結石ができやすくなります。石は酸性液中で固まる性質があり、尿が酸性に傾きやすい高尿酸血症患者は特に注意が必要です。
高尿酸血症の患者さんの中には糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満などの生活習慣病や慢性腎臓病、メタボリックシンドロームを合併している方が多くいます。末期腎不全の発症率と高尿酸血症との関係について、男性を例にとると1,000人当たりの末期腎不全発症数は尿酸値が7.0mg/dL未満では1.2人に対し、7.0mg/dL以上の人は4.6人にまで上がるといわれています。
生活習慣病をほっておくと尿酸値が上昇する可能性があります。尿酸値が1mg/dL高くなるということは血圧10mmHg上昇、総コレステロール20mg/dL上昇に相当し、動脈硬化を進行させ、心臓病、脳血管疾患発症のリスクが高くなるといわれており、命に係わる合併症につながりますので、早めに見つけて進行を抑えることが大切です。
生活習慣病の原因は過食・運動不足による肥満、アルコール飲みすぎなど高尿酸血症の原因と重なりますので、尿酸値をみれば生活習慣病が進行しているかの目安といってもおかしくはないので痛風や尿路結石がなくても生活習慣の見直しが大切です。