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院長コラム

高尿酸血症、高血圧、睡眠時無呼吸症候群など
知っている様で知らない病気を院長がコラム形式
で解説しております。

高血圧

寒くなると心配になるのが高血圧。夏は比較的血圧が落ち着いている方も冬になると高血圧が悪化してしまう方が少なくありません。また2019年から高血圧の治療目標の数値が変わりました。患者様の状態によりますがだいたいの目安は以下のようになります。

  • 75歳未満の方、冠動脈疾患・慢性腎臓病・糖尿病といった疾患のある方:130/80mmHg以下
  • 75歳以上の方や臓器障害のある方:140/90mmHg以下

これまでよりも低めに血圧を保つ方が心臓病・脳卒中のリスクが低下したといわれています。逆に言うと、高血圧を放置することで心臓病や脳卒中のリスクが上がることはもちろん、認知症の発症率も上昇するといわれています。 そこで高血圧の方に日常生活注意していただきたいポイントや、高齢者の高血圧との付き合い方についてご説明いたします。

高血圧のイメージ

家庭血圧測定の意義

定期的な家庭血圧の測定は健康管理の目安になるだけでなく、医師にとっても重要な診断材料になりますので積極的な測定をお願いします。朝と晩に同じ条件で測るなど、いくつかのポイントがあります。(出典:日本高血圧学会「家庭血圧測定の指針 第2版」)

  • 朝は起きてから1時間以内、夜は寝る前に測りましょう
  • 1-2分の安静後に、座った姿勢で、腕を机などの上にのせて心臓の高さで測りましょう
  • 朝に測定する場合、排尿後、食前・服薬前に測りましょう
  • 朝と晩にそれぞれ原則2回測定してその平均を取りましょう

高血圧と運動

血圧によい運動

体に負担を感じさせない軽い有酸素運動(水泳やウォーキング、軽いジョギングなど)

血圧に悪い運動

無酸素運動(短距離走やウェイトトレーニングなど息を止めて一気に力を入れる運動など)は一時的に血圧を上げるため、高血圧の方に良くありません

運動のポイント
  • 種類:ウォーキングや水泳、サイクリングなど。運動の強さは軽く汗ばむ程度、または軽く息がはずむ程度
  • 時間:10分以上の運動で、合計して30分を超えるとよい
  • 頻度:できれば毎日、無理なら週に4-5日
腹式呼吸で血圧を下げる

血圧を調節しているのは自律神経です。自律神経は興奮しているときに働く交感神経をリラックスしているときに働く副交感神経に分けられます。腹式呼吸を行うことで副交感神経が優位になり血管が拡張し、血液がスムーズに流れ血圧が下がります。

腹式呼吸の方法(出典:日本医師会ホームページ)
  • 背筋をしっかり伸ばし、鼻から息をゆっくり吸い込みます
  • おなかをへこませて、口からゆっくりと少しずつ空気を吐き出します(数時間より長くすることが重要)
  • 1日5回から始め、慣れたら10-20回を目標に実践しましょう

高血圧の合併症

高血圧および糖尿病は、どちらも自覚症状のないまま進行し様々な合併症を引き起こします。高血圧や糖尿病は脳卒中や心筋梗塞など直接命にかかわる重大疾病も、高血圧と糖尿病が互いに影響した合併症として発症するケースが多く、これらの発症リスクがさらに高まります。

高血圧や糖尿病の治療を早期から始めることで、心臓病や脳卒中、糖尿病性腎症などの重大疾病の発症リスクを減らすことができます。まずは定期的に検査を受けて、早期発見・早期治療に努めましょう。また統計では糖尿病の患者様の4-6割が高血圧であるという結果があります。このため糖尿病の人は血圧もチェックしましょう。

高血圧と高齢者

高齢者の高血圧の特徴
  • 血圧が高いわりに脳の血流量が少ない
  • 収縮期血圧(最高血圧)が高くなりやすい
  • 血圧変動のリズムが乱れやすい
  • 糖尿病や脂質異常を併発しているケースが多い

高齢者は年齢を重ねるごとに血管が硬くなるため、高血圧と診断される割合が高くなります。60歳以上で6割、70歳以上で7割以上の方が高血圧と診断されています。
冬の入浴時やトイレ、脱水、急な行動やストレスに気を付けてください。

高血圧のイメージ

高齢者と腎臓病

腎臓病は腎臓の働きが悪くなる病気で、様々な種類があります。一般には年齢を重ねるごとに腎臓の機能は低下し、腎臓病の患者さんも増えます。
腎臓の機能は一度失われると回復しないため、早めの治療開始が重要です。

腎機能低下と高血圧の悪循環

腎臓の機能が低下すると、余分な水分・塩分が排泄できなくなり血圧が上がります。血圧が上がると腎臓の負担が増え、ますます腎臓の機能が低下するという悪循環になってしまいます。

高齢者の高血圧治療

血圧コントロールは、心臓病や脳卒中の予防だけでなく、腎臓の働きを守るためにとても重要です。食塩の摂取制限、適度な運動など生活習慣の改善が治療の第一歩ですが、それでも血圧をコントロールできない場合はお薬による治療を並行して行います。お薬は毎日飲むことが重要です。

ほかの治療薬との飲み合わせ

他の病気の治療薬と降圧薬の組み合わせによっても降圧効果に影響を及ぼす場合があります。お薬手帳を使用して、担当医に使用中の薬剤を正確に伝え、不適切な飲み合わせがないか確認しましょう。

高齢者高血圧と食事

高齢者は一般に塩分の影響を受けやすいとされており、高血圧の場合に減塩は有効です。尚、塩分制限は6g/日を目標としますが、あまり減塩しすぎると汗をたくさんかいた場合などは脱水の原因となることがあります。また味付けの極端な変化で食事量が減り、低栄養となる場合もありますので注意しましょう。減塩は少しでもおいしく食べていただく工夫をしながらすすめましょう。

高血圧と減塩生活

高血圧で知っておきたいこと
なぜ治療が必要か

血圧が高いと血管に負担がかかり、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を発症しやすくなります。自覚症状が出た時には、すでに生死にかかわる病気が進行していたということもよくあります。

高血圧を改善する生活とは

高血圧は遺伝的な要因に加えて、塩分の多い食事や肥満、運動不足、ストレス、お酒の飲みすぎ、喫煙などの要因が加わることで発症します。高血圧を改善するには、生活習慣を見直すことが大切です。

高血圧と減塩のポイント
高血圧の敵は塩分!

塩分の取りすぎが血圧上昇と関連があることは多くの研究で分かっています。また食塩過剰摂取は心血管病(脳卒中・心臓病など)リスクが増加することも報告されています。逆に減塩にて血圧が下がることや脳卒中のリスクが軽減されることも分かっています。

減塩食をおいしく食べる工夫

味付けが薄いと食事が進まず食欲低下の原因になってしまいます。少しでもおいしく食べていただくために主菜一品のみを通常に近い味付けにし、ほかは食塩を控えるなどの工夫をします。また味付けには下記の工夫が有効です。
酸味(お酢や果汁)・油脂の風味を利用、しょうゆは「かける」のではなく「つける」だしのおいしさを生かす、香辛料や香りの強い野菜を利用、汁物は具材を多くする

高血圧とメタボの関係

メタボリックシンドロームは、血圧・血糖・脂質の値が治療を要するほど高くなくても、複数合併して動脈硬化が進行しやすい状態です。
生活習慣の改善を心がけて、動脈硬化の進行にブレーキをかけ、生死にかかわる疾患を未然に防ぐことが、メタボリックシンドロームに注意すべきという基本的な考え方なのです。

血圧を上げない生活習慣7か条

  • 塩分の摂取量に注意しましょう
  • 肥満気味の人は体重を減らしましょう
  • 積極的に有酸素運動をしましょう
  • お酒は適量を心がけましょう
  • タバコは厳禁、早く禁煙しましょう
  • ストレスをうまく解消しましょう
  • 定期的に自宅で血圧測定しましょう

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